田崎聡の沖縄現象論　

久しぶりにお茶の水の明治大学学館前を通った
今は、あの当時の学館闘争の面影は全くない
立派すぎる高層ビルになっている。
ブンド、戦旗派の巣として赤ヘルが占拠していたころ
清水谷公園に圧倒的少数のデモをしに行ったものだ。

成田闘争は、まさに農民の闘いとして戸村一作さん
を先頭に運動が起こった。
それは、今の「団塊世代の農への回帰」にどこかつながっている
出来事だったわけで、「援農」をすることで、
いわゆる今言われているところの「農村コミュニティへの参加」
が実現したのである。
皮肉なことに、今の成田の近くには、滞在型市民農園が多く存在し、
かつての団塊世代が、そこで農業を楽しんでいる。

日本は、あまりにも「農」をないがしろにしてきた。
不動産、金融至上主義のおかげで、
取り返しのつかない経済、福祉、教育、医療になってしまった。
当時、革命家としてあこがれたチェ・ゲバラの国キューバは、
万人の医療、教育が無料という理想的国家を樹立させた。
モノは貧しく経済は厳しいが、人々は明るく未来がある。
学力はフィンランドに匹敵するほどの高学力な国となった。
ゲバラは「どんな人間も平等に医療と教育を受ける義務がある」
と、それを実現した。

いったい、どちらが豊かな国なんだろうか。
立派な明治の学館を見るにつけ、
考えることしきりである。